株式会社ミヨシコーポレーション

お知らせ

世界イタリア料理週間 2025 – バルサミコ酢

2025.11.12

世界イタリア料理週間

La cucina italiana tra salute, cultura e innovazione

イタリア料理と健康、文化、創意工夫

 

《 バルサミコ酢:エミリア=ロマーニャ州の黒い宝石 》

バルサミコ酢は、煮詰めたブドウ果汁(モスト)をアルコール発酵と酢酸発酵させることで作られる、
濃厚で香り高いイタリアの調味料です。

〈 歴史をひとつまみ 〉

古代ローマ人はすでに熟成したブドウ果汁の存在を知っており、甘味料や貴重な調味料として利用していました。イタリアのエミリア=ロマーニャ州では、この古来の伝統が芸術へと昇華しました。中世には修道士たちが発酵と熟成の工程を洗練させ、独自の製品を生み出しました。ルネサンス時代には、バルサミコ酢は宮廷御用達の贅沢品となり、モデナ公爵の地下貯蔵庫に保管されました。
今日でも、同じ熟練の技が酢工場に受け継がれ、欧州連合(EU)認定の2つの優れた製品、モデナ伝統バルサミコ酢DOPとモデナバルサミコ酢IGPが作られています。これらはイタリアの歴史、味、そして誇りの象徴です。

〈 ご存知ですか? 〉

バルサミコ酢の味わい方
バルサミコ酢を味わう最も本格的な方法は、手の甲、親指と人差し指の間に数滴垂らすことです。肌の温もりによって、その香りと風味をさらに引き立てます。今日のテイスティングでは、酢の特徴を変えることなく、あらゆるニュアンスを味わうのに最適な磁器製のティースプーンが用いられます。 金属製のスプーンは酢と反応すると、貴重な調味料の風味と純度が損なわれるので、絶対に使用しないでください。

「樽の上の石」

伝統的なアチェタイア(酢蔵)では、すべての樽の蓋は川の石で閉じられており、多くの場合、それらの石は地元の川から採取されたものでした。これは単なる慣習ではなく、不規則な形状の石は酢の呼吸を可能にし、酸素の供給と自然発酵を促進していたのです。しかし、時間が経つにつれて、酸性の蒸気によって石が腐食することもありました。今日では、この伝統は一部にのみ残っていますが、その精神は変わらず、バルサミコ酢にとって最適な熟成条件が確保されています。

「バッテリアと女性の物語」

バッテリアとは、大きさが順に小さくなるように並べられた、木製樽の一連のセットのことです。これらのバッテリアの中で、バルサミコ酢はゆっくりと、時には数十年、あるいは数世紀にもわたって樽を移し替えながら熟成されます。かつては、娘が生まれると、新しいバッテリアが仕込まれ、娘の持参金の一部となることもありました。これは、手間と忍耐、家族の伝統を象徴するとともに、バルサミコの世界と女性の世界の深い結びつきを示すものでした。

〈 新しいアイデア 〉

バルサミコ酢は、日本料理、特にフュージョン料理において、甘酸っぱい風味を加える調味料として、醤油の代わりや補助として使うことができます。魚料理、例えばマグロのたたきなどによく合い、肉のマリネやご飯、サラダなどの味付けにも活用できます。この組み合わせは伝統的ではありませんが、シェフたちは独自で革新的な風味を作り出すために、これらの可能性を探求しています。

*5分以内で作れるレシピ

◎バルサミコ酢のジェラート
このレシピには、フィオール・ディ・ラッテ(牛乳風味)またはクリーム味のジェラートが理想的です。 これらの味は、クリーミーで繊細なため、DOP認定の伝統的バルサミコ酢と非常に相性が良いです。ジェラートを小さなカップに盛り付け、それぞれのポーションに伝統的バルサミコ酢を小さじ1~2杯ずつ丁寧に注ぎます。バルサミコ酢は心地よいほのかな酸味を加え、ジェラートの甘さと美しいコントラストを生み出します。

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